2024年7月、「DE-SILO RESEARCH REPORT──人文・社会科学の未来を拓く30論点:研究エコシステムの『脱サイロ化』に向けて」をPDFにて全編公開しました。
取り組みの背景
本レポートは、人文・社会科学領域の(以下、人社系)学問のそもそもの成り立ちや意義を問い直し、現在の人社系研究者を取り巻く課題とその構造的背景を明らかにした上で、人社系学問がポテンシャルを発揮できる未来に向けた30の論点を提示したものです。
本レポートの制作にあたっては、制作費用を募るクラウドファンディングを、2023年12月~2024年1 月にかけて実施(“文系学問”を取り巻く課題解決に向けた支援者を募集!)。目標金額180 万円に対し、105名の方から210万円を超える金額をご支援いただきました。
ご支援いただいた皆様に、心より感謝を申し上げます。ご支援いただいた資金をもとにリサーチチームを組成し、文献調査に加えて、当該領域の専門家やアカデミアの内外で研究知の社会実装を試みる実践者へのヒアリングを実施することで、本レポートを形にすることができました。
本レポートはオープンソースとして無償公開します。大学、行政機関、ファンディング・エージェンシー、研究者コミュニティ、民間企業・民間組織、メディア、そして大学生・大学院生、研究者……人社系学問に関わるステークホルダーとして、人社系アカデミアの内外で活動しているみなさん、そして人文・社会科学という領域の持続的発展を願う全てのみなさんに、何かしらのかたちで今後のアクションの指針としていただけたら幸いです。
レポート概要
本レポートでは、昨今「危機」に立たされている人文・社会科学系(以下、人社系)学問を取り巻く課題とその構造的背景を明らかにし、人社系学問がポテンシャルを発揮できる未来に向けた30の論点を提示しています。
「高学歴ワーキングプア」問題(ポスドク問題)、アカデミックポストの減少、事務作業の負担増による研究時間の圧迫、果ては“ 文系不要論”……日本社会における人社系学問は、昨今きわめて厳しい状況に置かれています。
こうした苦況の背景を整理すべく、本レポートでは、1990年代以降、大学院重点化や国立大学法人化、運営交付金の削減といった政策などによってもたらされた、大学の財政基盤の危機についてリサーチ。研究者、大学、行政機関、そしてファンディング・エージェンシー、研究者コミュニティ、メディアといった人社系学問を取り巻くステークホルダーの現在地を概観しています(→レポート第2章)。
一方、少子化という避けられないマクロトレンドの中では、大学数や大学内のポストの減少は必至。それゆえ、既存のアカデミアの外にも人社系研究者が持続的に活動できる場を構築していくことが不可欠でしょう。そのためには、大学や行政のみならず、民間企業や民間組織も積極的に巻き込みながら、人社系の研究知を社会に接続していく回路を整備していく取り組みが必要であるはず。
こうした状況理解のもと、本レポートでは文献調査に加え、人社系学問の未来を拓く活動に挑む専門家・プレイヤーへの20件以上のヒアリングを実施。その結果を踏まえ、現状打破に向けてとりわけ重要だと考えられる「人文・社会科学の未来を拓く30の論点」を提示しています(→レポート第3章)。
人社系学問に関わるステークホルダーとして、何らかのかたちで人社系アカデミアの内外で活動しているみなさん、そして人文・社会科学という領域の持続的発展を願う全てのみなさんに、何かしらのかたちで今後のアクションの指針としていただけたら幸いです。
クレジット
サポーター(クラウドファンディング支援者のみなさま):
會澤裕貴 / 阿南泉美 / 家入一真/稲石奈津子/一般社団法人 公共とデザイン/岩舘豊/内沼晋太郎/雲財寛/遠藤な/大川内 直子/大貫冬斗/岡本祥平/小倉政貴/片山浩一/株式会社Nodes/上平崇仁/きいちのメモ/木村匠/経営に人文学を。/合同会社メッシュワーク 比嘉夏子/坂口みゆき/さつきデザイン事務所 榎原理絵/しまねアカデミア/生涯学習イニシアティブ/すずきさん/瀬下翔太/相馬 未奈/副島基輝/高野慎一/髙向哲也/竹内四季/立野将司/田村俊樹/塚田真一郎/坪井遥/乕田俊司/中川瑛/中川大地/中村征樹/中元崇/中塚大貴/中山 裕之/根本一希/野口弘一朗/野口俊亮/野尻暉/野村隆文/橋 麻依子/ふくだぺろ/藤川二葉/松薗美帆/三鷹古典サロン裕泉堂/宮原裕美/宮野公樹/水落絵理香/モリジュンヤ/守慎哉/森正祐紀/山本 弦/Junna/kanon/Kenfromsowa/KIBO/N. M/RShibato/Tomohiro Nakatate/Yuto Kawabata
ヒアリング協力:
安斎 勇樹(株式会社 MIMIGURI)
稲石 奈津子、藤川 二葉、天野 絵里子(京都大学学術研究展開センター)
井上 眞梨(株式会社メルカリ mercari R4D)
石井 雅巳(山口大学教育学部 講師/NPO法人bootopia)
石田 健(株式会社リバースタジオ)
大川内 直子(株式会社アイデアファンド)
金岡 由岐子(経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進室(旧所属))
坂本 美里(東京大学/WOMEN: WOVEN)
澤井 大樹、井原 なみは(株式会社イデアラボ)
柴藤 亮介(アカデミスト株式会社)
永野 智己、濱田 志穂、丸山 隆一
(国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター(CRDS))
濱田 太陽(株式会社アラヤ)
比嘉 夏子、水上 優(合同会社メッシュワーク)
肥後 楽(株式会社メルカリ mercari R4D/大阪大学 社会技術共創研究センター
(ELSIセンター))
平尾 孝憲(国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター
(RISTEX))
藤田 周(東京外国語大学)
藤田 淑子(フィランソロピー・アドバイザーズ株式会社)
宮﨑 航一(株式会社LabBase)
渡邉 文隆(信州大学 社会基盤研究所 特任講師/京都大学 非常勤研究員)
吉田 幸司(クロス・フィロソフィーズ株式会社)
※五十音順・敬称略
監修協力:
標葉 隆馬(大阪大学社会技術共創研究センター 准教授)
南 了太(京都精華大学国際文化学部 准教授)
校正:
東京出版サービスセンター
デザイン:
平山 みな美
リサーチ・執筆:
木村 匠(主担当:第1章, 第2章p23-41)
副島 基輝(主担当:第1章, 第2章p16-22)
石田 哲大(主担当:第3章p46-55)
小池 真幸(主担当:第2章p42-43, 第3章p56-77)
古島 海(主担当:第3章p78-89)
編集サポート:
並木 里圭
編集:
石田 哲大
小池 真幸
古島 海


